ものづくり補助金とは
中小企業・小規模事業者等が今後複数年にわたり相次いで直面する制度変更(働き方改革や賃上げ、インボイス導入等)等に対応するため、中小企業・小規模事業者等が取り組む革新的サービス開発・試作品開発・生産プロセスの改善を行い、生産性を向上させるための設備投資等を支援する制度です。
現在募集されている第15次公募の応募締切は令和5年7月28日(金)17時です。申請の受付はgBizIDを利用した電子申請のみとなりますので、申請を検討される方はgBizIDの取得をまずは行う必要があります。
事業スキーム
交付決定日から10ヶ月以内かつ採択発表日から12ヶ月後の日までに発注・納入・検収・支払等の全ての事業の手続きを完了する必要があります。
事業再構築補助金で必須要件となっている認定経営革新等支援機関の関与は任意となっております。
補助対象者
業種 | 資本金 | 従業員数 |
---|---|---|
製造業、建設業、運輸業、旅行業 | 3億円 | 300人 |
卸売業 | 1億円 | 100人 |
サービス業 (ソフトウェア業、情報処理サービス業、旅館業を除く) | 5000万円 | 100人 |
小売業 | 5,000万円 | 50人 |
ゴム製品製造業 (自動車又は航空機用タイヤ及び チューブ製造業並びに工業用ベルト製造業を除く) | 3億円 | 900人 |
ソフトウェア業又は情報処理サービス業 | 3億円 | 300人 |
旅館業 | 5,000万円 | 200人 |
その他の業種(上記以外) | 3億円 | 300人 |
補助対象外となる事業者
- 応募締切日前10ヶ月以内に、ものづくり補助金の交付決定を受けた事業者及び応募締切日時点で同一事業の補助事業実績報告書を未提出の事業者
- 過去3年間に、2回以上ものづくり補助金の交付決定を受けた事業者
- みなし大企業
- 直近過去3年分の各年又は各事業年度の課税所得の年平均額が15億円を超える事業者
- 同一法人・事業者が同一の締切回において複数申請を行っている事業者
- 国等が助成する制度との重複を含む事業を申請する事業者。補助対象経費の重複に限らず、テーマや事業内容から判断し、本事業を含む補助金若しくは委託費と同一若しくは類似内容の事業、又は公的医療保険・介護保険からの診療報酬・介護報酬、固定価格買取制度等との重複がある事業を申請する事業者
- 中小企業生産性革命推進事業の他の補助金(小規模事業者持続化補助金等)や、中小企業事業再構築補助金と同一の補助対象を含む事業者
- 他の中小企業・小規模事業者等から提出された事業と同一若しくは極めて類似した内容の事業を申請する事業者
- 申請時に虚偽の内容を提出した事業者
- 平成27~30年度、令和元年度~令和3年度補正ものづくり・商業・サービス補助事業の採択事業者のうち、「事業化状況・知的財産権等報告書」を未提出の事業者
- 応募申請時点において、一時的に資本金の減額や従業員数の削減を行い、補助事業実施期間終了後に資本金の増額や従業員数の増加を行うなど、専ら本事業の対象事業者となることのみを目的として、資本金、従業員数等を変更していると認められる事業者
申請要件
以下の要件を全て満たす3~5年の事業計画を策定することが必要です。要件未達の場合、返還義務が課される場合があります。
- 与支給総額を年率平均1.5%以上増加
- 事業場内最低賃金(補助事業を実施する事業場内で最も低い賃金)を、毎年、地域別最低賃金+30円以上の水準とする
- 事業者全体の付加価値額を年率平均3%以上増加
〇補助事業の実施場所(工場や店舗等)を有していることが必須です。
※1 応募申請時点で建設中の場合や土地(場所)のみを確保して建設予定である場合は対象外となります。
※2 補助事業の実施場所が自社の所有地でない場合、交付申請までに、不動産登記事項証明書により所有権が移転していることや賃貸借契約書等により使用権が明確であることが必要です。
※3 「補助事業の実施場所」とは、補助対象経費となる機械装置等を設置する場所、又は格納、保管等により主として管理を行う場所を指します。
補助額・補助率
枠名 | 従業員数 | 補助金額 | 補助率 |
---|---|---|---|
通常枠 | 5人以下 6人〜20人 21人以上 | 100万円〜750万円 100万円〜1,000万円 100万円〜1,250万円 | 中小企業者等:1/2 小規模事業者・再生事業者:2/3 |
回復型賃上げ・雇用拡大枠 | 5人以下 6人〜20人 21人以上 | 100万円〜750万円 100万円〜1,000万円 100万円〜1,250万円 | 2/3 |
デジタル枠 | 5人以下 6人〜20人 21人以上 | 100万円〜750万円 100万円〜1,000万円 100万円〜1,250万円 | 2/3 |
補助対象経費
- 機械装置・システム構築費 単価50万円(税抜き)以上の設備投資を行うことが必須
- 技術導入費 ※上限額=補助対象経費総額 (税抜き)の3分の1
- 専門家経費 ※上限額=補助対象経費総額 (税抜き)の2分の1
- 運搬費
- クラウドサービス利用費
- 原材料費
- 外注費 ※上限額=補助対象経費総額 (税抜き)の2分の1
- 知的財産権等関連経費 ※上限額=補助対象経費総額 (税抜き)の3分の1
必須事項
- 単価50万円(税抜)以上の機械装置等の設備投資を行うこと
- 「機械装置・システム構築費」以外の経費は、総額で500万円(税抜き)までが補助上限額
- 補助対象経費(税抜き)は、事業に要する経費(税込み)の3分の2以上であること
審査項目
(1)補助対象事業としての適格性
申請要件、申請枠及び補助率等を満たし、3~5年計画で「付加価値額」年率平均3%以上の増加等を達成する取組であるか。
(2)技術面
- 新製品・新サービスの革新的な開発となっているか。「中小サービス事業者の生産性向上のためのガイドライン」又は「中小企業の特定ものづくり基盤技術の高度化に関する指針」に沿った取組であるか。
- 試作品・サービスモデル等の開発における課題が明確になっているとともに、補助事業の目標に対する達成度の考え方を明確に設定しているか。
- 課題の解決方法が明確かつ妥当であり、優位性が見込まれるか。
- 補助事業実施のための技術的能力が備わっているか。
(3)事業化面
- 補助事業実施のための社内外の体制(人材、事務処理能力、専門的知見等)や最近の財務状況等から、補助事業を適切に遂行できると期待できるか。金融機関等からの十分な資金の調達が見込まれるか。
- 事業化に向けて、市場ニーズを考慮するとともに、補助事業の成果の事業化が寄与するユーザー、マーケット及び市場規模が明確か。
- 補助事業の成果が価格的・性能的に優位性や収益性を有し、かつ、事業化に至るまでの遂行方法及びスケジュールが妥当か。
- 補助事業として費用対効果(補助金の投入額に対して想定される売上・収益の規模、その実現性等)が高いか。
(4)政策面
- 地域の特性を活かして高い付加価値を創出し、地域の事業者等や雇用に対する経済的波及効果を及ぼすことにより地域の経済成長を牽引する事業となることが期待できるか。
- ニッチ分野において、適切なマーケティング、独自性の高い製品・サービス開発、厳格な品質管理などにより差別化を行い、グローバル市場でもトップの地位を築く潜在性を有しているか。
- 単独では解決が難しい課題について複数の事業者が連携して取組むことにより、高い生産性向上、経済的波及効果が期待できるか。
- 先端的なデジタル技術の活用、新しいビジネスモデルの構築等を通じて、我が国のイノベーションを牽引し得るか。
- ウィズコロナ・ポストコロナに向けた経済構造の転換、事業環境の変化に対応する投資内容であるか。
加点項目
1 成長性加点:「有効な期間の経営革新計画の承認を取得した事業者」
2 政策加点:
2-1:創業・第二創業後間もない事業者(5年以内)
2-2:パートナーシップ構築宣言を行っている事業者
2-3:再生事業者
2-4:デジタル技術の活用及びDX推進の取組状況(デジタル枠のみ)
A.経営の方向性及びデジタル技術等の活用の方向性の決定
B.上記A.の経営ビジョンやビジネスモデルを実現するための戦略を公表している
C.上記B.の戦略を推進するための体制・組織(CIO(最高情報責任者)、CISO(最高セキュリティ責任者)の配置、担当部門の配置等)を示し、公表している
D.「DX推進指標」自己診断フォーマットの定量指標における「人材欄」を全て記載
E. 申請時点において、「サイバーセキュリティお助け隊サービス」を利用している
2-5:令和4年度に健康経営優良法人に認定された事業者
2-6:技術情報管理認証制度の認証を取得している事業者
2-7:J-Startup、J-Startup 地域版に認定された事業者
3 災害等加点:「有効な期間の事業継続力強化計画の認定を取得した事業者」
4 賃上げ加点等:
4-1: 事業計画期間(補助事業完了年度の翌年度以降)における給与支給総額と事業場内最低賃金をそれぞれ以下(ア)もしくは(イ)の通りとする計画を有し、事務局に誓約書を提出している
(ア)
給与支給総額:年率平均2%以上増加あるいは年率平均3%以上増加
事業場内最低賃金:毎年3月、地域別最低賃金より+60円以上の水準あるいは毎年3月、地域別最低賃金より+90円以上の水準
(イ)
給与支給総額:年率平均6%以上増加
事業場内最低賃金:毎年3月、地域別最低賃金より+60円以上の水準あるいは毎年3月、地域別最低賃金より+90円以上の水準
4-2:被用者保険の適用拡大の対象となる中小企業が制度改革に先立ち任意適用に取り組む場合
5 ワーク・ライフ・バランス等の推進の取り組み加点
5-1:「えるぼし認定」を受けている事業者
5-2:「くるみん認定」を受けている事業者
※ 通常枠は最大6項目、デジタル枠はデジタル技術の活用及びDX推進の取組状況にある6項目を加えた計12項目の加点が可能。
ものづくり補助金まとめ
対象業種
ものづくり補助金は新商品・新サービス開発、新たな生産方式・提供方式の導入を行うための設備投資に活用できる補助制度です。「ものづくり」という名称となっておりますが、幅広い業種の方が活用できる補助金となっています。
基本要件
3〜5年の事業計画期間内に下記を満たすことが基本的な要件となります。
①付加価値額〈営業利益+人件費+減価償却費〉を年率平均3%以上増加すること
②給与支給総額を年率平均1.5%以上増加すること
③事業場内最低賃金を地域別最低賃金+30円以上の水準にすること
申請要件が未達の場合には返還規程が定められておりますので、補助金ありきで事業計画を策定するのではなく実現可能性の高い計画が求められます。
補助事業完了までの手続きとスケジュール
補助事業実施には下記の手続きが必要となります。いずれも期日が定められており、補助金を受給した後も事業化状況について定期的な報告が必要であり、適正な実施が求められます。
事業計画の検討
ものづくり補助金総合サイトにて過去の採択事例について、業種や地域等から検索できるようになっていますので、どういう事業が採択されているかを確認することができます。
採択事業者の補助事業実施後の事業展開や活動・成果状況等を調査し、補助事業成果の事業化段階向上に向け様々な経営課題の克服等への取組みを紹介する「ものづくり・商業・サービス補助金成果活用 グッドプラクティス集」も公開されています。
新しい事業を実施したいが、どのような取り組みが効果的かわからないという悩みを抱える方も数多くいらっしゃるかと思います。まずは実際に採択されて成長・発展を遂げた事業者の事例を参考にして、今一度自社の経営資源の棚卸しを行う中で、自社の強みを活かし、弱みを克服できる取り組みについて検討することで新規事業のヒントとなるかもしれません。
成果事例のご紹介:https://portal.monodukuri-hojo.jp/jireisearch.aspx#goodpractices
行政書士に申請サポートを依頼するメリット
事業再構築補助金の申請は、事業計画策定や必要書類の準備、採択後も交付申請や実績報告等の多くの手続きがあり、非常に煩雑です。補助金申請に関する豊富なノウハウを持ち、手続きに精通している専門家にサポートを依頼することで自社の負担を大幅に軽減することが可能になります。サポートを依頼するメリットは、以下のような点が挙げられます。
・申請書類の作成や提出手続きに関するアドバイスを受けられる
・申請書類の不備や誤りを防ぐことができる
・事務負担が大幅に軽減できる
行政書士に依頼することで、補助金の申請がスムーズに進められたり、不備や誤りを防ぎ、採択確率を高められるようなアドバイスを受けることができます。 当事務所は補助金申請サポートを専門としており、申請に必要な情報を提供させていただき書類作成や手続きをトータルでサポートいたしますので、申請にかかる手間を削減することができます。補助金申請が初めてでどういう手続きがあるのかわからない方や、申請書の書き方がわからない方に対して手厚くサポートをいたしますのでお気軽にお問い合わせください。