IT導入補助金とは?

IT導入補助金は、中小企業・小規模事業者等が直面する働き方改革やインボイス等の制度変更等に対応するため生産性向上に資するITツールを導入するための費用を補助する制度です。

具体的にはソフトウェアやハードウェアの購入費、システム導入費、ネットワーク構築費用、セキュリティ対策費用などに利用できます。ITツールの導入により社内の業務を効率化することで、従業員はより多くの業務を処理することができたり、顧客情報の一元管理により顧客対応のスピードアップや精度向上など、業務効率化や生産性向上・競争力強化につながると期待されています。下記の三つの枠が準備されており、それぞれ補助上限額や補助率等が異なります。

▶︎IT導入補助金はこちら:https://it-shien.smrj.go.jp

CHECK

IT導入補助金2023第1回公募結果と今後の狙うべき枠について

IT導入補助金2023第1次締切分の結果が公表されました

目次1 IT導入補助金2023第1次締切分結果の概要1.1 今後狙うべき枠は?1.2 みらデジ経営チェックをやってみた2 行政書士に申請サポートを依頼するメリット3 お問い合わせは…

IT導入補助金の制度概要

通常枠(A・B類型)

中小企業・小規模事業者等が自社の課題やニーズに合ったITツールを導入する経費の一部を補助することで、業務効率化・売上アップをサポートするものです。自社の置かれた環境から強み・弱みを認識、分析し、把握した経営課題や需要に合ったITツールを導入することで、業務効率化・売上アップといった経営力の向上・強化を図ることを目的としています。

セキュリティ対策推進枠

中小企業・小規模事業者等がサイバーインシデントが原因で事業継続が困難となる事態を回避するとともに、サイバー攻撃被害が供給制約・価格高騰を潜在的に引き起こすリスクや生産性向上を阻害するリスクを低減することを目的としています。

デジタル化基盤導入枠(デジタル化基盤導入類型)

中小企業・小規模事業者等が導入する会計ソフト・受発注ソフト・決済ソフト・ECソフトの経費の一部を補助することで、インボイス対応も見据えた企業間取引のデジタル化を推進することを目的としています。

申請要件

IT導入補助金を申請するためには、以下の要件を満たす必要があります。補助金の申請を検討する際には、これらの要件を確認し、必要な手続きを遵守するようにしてください。

  • 交付申請時点で日本国内で法人登記され、日本国内で事業を営む法人または個人であること
  • 直近月において、申請者が営む事業場内の最低賃金が法令上の地域別最低賃金以上であること
  • gBizIDプライムを取得していること
  • 「SECURITY ACTION」の「★一つ星」又は「★★二つ星」いずれかの宣言を行い、宣言内容の確認時に情報を共有することに同意すること
  • 必要な情報を入力し、添付資料を提出すること
  • 1申請者につき、必ず申請者自身が管理する1つの携帯電話番号を登録すること
  • 他の補助金等と重複する事業については対象として含まないこと
  • 補助事業を実施することによる労働生産性の伸び率の向上について、1年後の伸び率が3%以上、3年後の伸び率が9%以上を目標とした計画を作成すること
    過去3年間にIT導入補助金を受給した場合、1年後の伸び率が4%以上、3年後の伸び率が12%以上であること
  • IT導入支援事業者と確認を行った上で、生産性向上に係る情報を報告すること
  • ログインIDとパスワードを適切に管理し、第三者に渡さないこと
  • 補助事業の遂行に支障をきたすような問題を抱えていないこと
  • 不正な行為を行っていないこと
  • 交付申請や実績報告時において、事務局及び中小機構による立入調査等への協力を要請された場合は協力すること
  • B類型に応募する場合、以下の要件を全て満たす3年の事業計画を策定し、実行すること
    • 以下の二及び三に規定する賃金引上げ計画を策定し従業員に表明していること
    • 事業計画期間において、給与支給総額を年率平均1.5%以上増加させること
    • 事業場内最低賃金を地域別最低賃金+30円以上の水準にすること
  • 「2-2-2 申請の対象外となる事業者」に記載の事業者ではないこと
  • 中小企業庁が実施するデジタル化支援ポータルサイト「みらデジ」における「みらデジ経営チェック」を交付申請前に行った事業者であること
  • 提供された情報は、行政機関やその業務委託先、独立行政法人、大学その他の研究機関、施設等機関に提供・利用されることに同意すること

補助対象経費、補助額・補助率

補助対象経費

補助対象経費は、IT導入支援事業者が提供し、あらかじめ事務局に登録されたITツールの導入費用とします。補助事業者は、登録されたIT導入支援事業者への相談を行い、自社の生産性向上に寄与する適切なITツールを選択し、申請することが必要です。なお、ソフトウェアにおける月額・年額で使用料金が定められている形態の製品(サブスクリプション販売形式等)は、最大2年分の費用が補助対象となります。また、保守費用は申請するソフトウェアの利用範囲内で、最大2年分の費用が補助対象となります。(ただし、オプションに対する保守費用は最大1年分が補助対象です。)

他の補助金とは異なり、あらかじめ事務局に①登録されたIT導入支援事業者が提供する②登録されたITツールのみが補助対象となりますので、①と②をいずれも満たす必要があります。ホームページより支援事業者及びITツールが検索することができますので申請前に確認しましょう。

補助率、補助額

補助対象経費区分は、以下のものになります。

A類型B類型セキュリティ対策推進枠デジタル化基盤導入類型
補助対象経費区分ソフトウェア購入費・クラウド利用料(最大2年分)・導入関連費ソフトウェア購入費・クラウド利用料(最大2年分)・導入関連費サービス利用料(最大2年分)ソフトウェア購入費・クラウド利用料(最大2年分)・導入関連費
補助率1/2以内1/2以内1/2以内3/4以内
上限額・下限額5万円~150万円未満150万円~450万円5万円~100万円下限なし~350万円

ハードウェア購入費用(デジタル化基盤導入類型)

PC・タブレット・プリンター・スキャナー・複合機:補助率1/2以内、補助上限額10万円

レジ・券売機等:補助率1/2以内、補助上限額20万円

中小企業の生産性向上や業務効率化のためにIT導入が注目されていますが、導入コストが高いことなどが課題でありました。IT導入補助金は最大3/4、450万円補助される非常に魅力的な制度です。制度をうまく活用し、中小企業の成長とより効率的な業務運営を実現しましょう。

事業スケジュール

枠名締切日交付決定日事業実施期間事業実績報告期限
通常枠・セキュリティ枠・デジタル枠1次締切分2023年4月25日(火)17:002023年5月31日(水)(予定)交付決定~2023年11月30日(木)17:002023年11月30日(木)17:00
通常枠2次締切分2023年6月2日(金)17:002023年7月11日(火)(予定)交付決定~2023年11月30日(木)17:002023年11月30日(木)17:00
デジタル枠2次締切分2023年5月16日(火)17:002023年6月21日(水)(予定)交付決定~2023年11月30日(木)17:002023年11月30日(木)17:00

過去の採択率

A類型

申請数採択数採択率
1次締切分2,9071,61555.6%
2次締切分3,3441,84355.1%
3次締切分2,8771,41549.2%
4次締切分3,3471,46543.8%
5次締切分1,9571,19661.1%
6次締切分2,3371,52165.1%
7次締切分1,9091,33670.0%
8次締切分1,8551,24967.3%
9次締切分2,8931,98168.5%
合計23,42613,62159.5%

B類型

申請数採択数採択率
1次締切分803341.3%
2次締切分1034442.7%
3次締切分1044341.3%
4次締切分1074844.9%
5次締切分432660.5%
6次締切分643859.4%
7次締切分452862.2%
8次締切分563664.3%
9次締切分674262.7%
合計66933853.2%

デジタル化基盤導入類型

申請数採択数採択率
1次締切分65056687.1%
2次締切分1,6621,46788.3%
3次締切分1,8231,56285.7%
4次締切分2,1311,85587.0%
5次締切分1,7121,42283.1%
6次締切分1,9441,60182.4%
7次締切分2,1491,75981.9%
8次締切分3,0752,64886.1%
9次締切分1,3901,09278.6%
10次締切分1,6661,29978.0%
11次締切分2,0511,63579.7%
12次締切分1,8321,50382.0%
13次締切分2,0121,57778.4%
14次締切分2,2391,81280.9%
15次締切分2,2521,88683.7%
16次締切分2,6182,14682.0%
17次締切分4,3123,55182.4%
18次締切分3,2812,81085.6%
19次締切分7,0375,44877.4%
合計45,83637,63982.6%

セキュリティ対策推進枠

申請数採択数採択率
1次締切分1313100.0%
2次締切分201995.0%
3次締切分575596.5%
4次締切分4646100%
5次締切分444295.5%
6次締切分242395.8%
7次締切分938995.7%
合計29728796.6%

デジタル化基盤導入類型は採択率が80%程度で推移しており、ソフトウェア導入に付随してPCやプリンタ等も補助対象になるため非常に使い勝手がよくお勧めの制度です。PC等が購入できる補助金は非常に稀であり、これからITツール導入を予定されている方はまずデジタル化基盤導入類型への申請を検討してみてはいかがでしょうか。

まとめ

IT導入補助金は、中小企業がIT導入にかかる費用を補助する制度です。補助対象となる費用には、ソフトウェアやハードウェア、システム導入費などが含まれます。申請要件としては、事業場内の最低賃金が法令上の地域別最低賃金以上であることや「SECURITY ACTION」の自己宣言を行うこと、労働生産性の伸び率を3年後9%以上とする計画を作成することなどが挙げられます。

補助金の申請は書類の提出期限や必要書類の準備、申請要件・公募要領の理解など、手続きが煩雑であります。こうした手続きは、補助金専門の行政書士に依頼することで、適切な申請書類の作成や提出、審査に関するアドバイスを受けることができ、膨大な時間と労力を削減することができます。行政書士は補助金申請に関するノウハウを有しているため円滑なやり取りを行うことができ、補助金採択の可能性を高めることが期待できます。

申請を検討されている方はぜひ気軽にお問い合せください。


お問い合わせはこちらから

ご相談内容を入力してください

Follow me!