子育てエコホーム支援事業の旧こどもエコすまいからの主な変更点と申請に必要な書類とは?
かつてない規模で実施された住宅省エネ2023キャンペーンですが、令和6年度においても後継事業が実施されることが決定しており、各事業の制度詳細が続々と公表されています。令和5年度に大変人気で開始から6ヶ月を待たずに1700億円超の予算を消化し終了した、こどもエコすまいの後継事業である子育てエコホーム支援事業の制度詳細が公表されました。
注文住宅の新築や新築分譲住宅の購入に最大100万円、リフォーム工事に最大60万円が補助されるなど令和6年度も引き続き手厚く支援されます。本記事では令和5年度からの変更点と申請に必要な書類について解説いたします。
弊所では、令和5年度より先進的窓リノベ事業やこどもエコすまい支援事業の申請サポートを行っており、令和6年度も引続き事業者さまのサポートを行ってまいります。申請は2024年3月下旬から開始となりますが、2023年11月2日以降に着工した工事は補助対象のため、既に完了した工事も申請可能です。令和6年度の申請に向けたご相談を受け付けておりますのでお気軽にご相談ください。
目次
住宅省エネ2024キャンペーン制度概要
子育てエコホーム (旧こどもエコすまい) | 先進的窓リノベ | 給湯省エネ | 賃貸集合 給湯省エネ | |
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対象対象 | 子育て・若者世帯の新築 断熱改修/エコ住宅設備 等 | 窓の断熱改修 | 高効率給湯器の 購入・リース | エコジョーズ エコフィール |
補助金額 | 新築:80〜100万円/戸 改修:20〜60万円/戸 | 最大200万円 | 10万円〜20万円 | 追焚なし:5万円 追焚あり:7万円 |
対象工事 契約期間 | 契約時期は問わない | 契約時期は問わない | 契約時期は問わない | 契約時期は問わない |
対象工事 着工期間 | 2023年11月02日以降 | 2023年11月02日以降 | 2023年11月02日以降 | 2023年11月02日以降 |
予算額 | 2100億円 (国土交通省) | 1350億円 (環境省) | 580億円 (経済産業省) | 185億円 (経済産業省) |
こどもエコすまい支援事業からの主な変更点
変更点1:対象となる住宅が変更
こどもエコすまい支援事業では、新築住宅についてはZEH住宅に一律100万円が補助されましたが、子育てエコホーム支援事業では、長期優良住宅に100万円、ZEH住宅に80万円と対象となる住宅により補助額が変更になりました。
〈長期優良住宅とは〉
長期にわたり良好な状態で使用するための措置が講じられている住宅で、所管行政庁(都道府県、 市区町村等)にて認定を受けた住宅を指し、下記基準を満たす必要があります。
- 長期に使用するための構造及び設備を有していること
- 居住環境等への配慮を行っていること
- 一定面積以上の住戸面積を有していること
- 維持保全の期間、方法を定めていること
- 自然災害への配慮を行っていること
〈ZEH住宅とは〉
「外皮の断熱性能等を大幅に向上させるとともに、高効率な設備システムの導入により、室内環境の質を維持しつつ大幅な省エネルギーを実現した上で、再生可能エネルギー等を導入することにより、年間の一次エネルギー消費量の収支がゼロとすることを目指した住宅」です。 自らがエネルギーを生み出して、生活に必要な消費エネルギーをまかなえる住宅を指します。
エネルギーにスポットを当てたものがZEH、建物の品質・寿命にスポットを当てたものが長期優良住宅という点に違いがあります。
変更点2:新築・リフォームともに補助額が変更
1. 注文住宅・新築分譲住宅
- 長期優良住宅:1,000,000円/戸(市街化調整区域等:500,000円/戸)
- ZEH住宅:800,000円/戸(市街化調整区域等:400,000円/戸)
2. リフォーム
世帯の属性 | 既存住宅購入・長期優良住宅の有無 | 1戸あたりの上限補助額 |
---|---|---|
子育て世帯又は若者夫婦世帯 | 既存住宅を購入しリフォームを行う場合 | 600,000円 |
長期優良住宅の認定(増築・改築)を受ける場合 | 450,000円 | |
上記以外のリフォームを行う場合 | 300,000円 | |
その他の世帯 | 長期優良住宅の認定(増築・改築)を受ける場合 | 300,000円 |
上記以外のリフォームを行う場合 | 200,000円 |
子育てエコホーム支援事業という名称の通り、子育て・若者夫婦世帯への支援が最大60万円と充実しており、その他の世帯は最大30万円となります。リフォームに対する補助上限額は枠によっては一部減少となりましたが、開口部断熱改修のガラス交換、ドア交換やエコ住宅設備の設置等の設備ごとの補助額は増額となったものが多くなっています。
同じ住宅省エネ2024キャンペーンの先進的窓リノベも併用可能です。浴槽やキッチン等のエコ住宅設備の改装は子育てエコホーム、窓・ドアの改修は先進的窓リノベを利用するといったような申請も可能です。
弊所では住宅省エネキャンペーン含むリフォーム・省エネ関連補助金の申請実績が複数ございます。これまで補助金を活用したことがない、相談件数が多すぎて自社で対応しきれないといったお悩みを抱える事業者さまのサポートを行なっております。
省エネ関連分野は政策的にも重点的に支援されている分野でもあり、より使い勝手が良いように制度が見直されていますので、この機会に積極的に活用しましょう。
申請に必要な主な書類
新築住宅
1.交付申請
- 共同事業実施規約
- 工事請負契約書の写し
- 建築基準法に基づく「確認済証」の写し
- 建築士が発行する出来高確認書(指定様式)※1
- 住民票の写し
- 対象住宅証明書※2の写し
2.完了報告
- 建築基準法に基づく「検査済証」の写し
- 住民票の写し
- 不動産登記の登記事項証明書・謄本(所有権保存登記されている場合)※3【共同住宅のみ】
- 長期優良住宅認定書の写し
※1: 工事写真を含む
※2:「住宅の性能等を証明する対象住宅証明書」等の写し
※3: 住戸の延べ面積が50m²以上240m²以下であることを確認するために使用します。
リフォーム
- 共同事業実施規約
- 工事請負契約書の写し
- 工事発注者の本人確認書類
- 対象工事内容に応じた性能証明書や工事前写真※1
- 工事着手を示す写真(予約申請時のみ)
〈補助額引き上げを受ける場合の追加書類〉
- 不動産売買契約書の写し
- 不動産登記の全部事項証明書
- 工事発注者の住民票の写し
- 長期使用構造等の確認書、長期優良住宅認定書の写し
住宅省エネ2023キャンペーン参加者の取扱いについて
住宅省エネ2023キャンペーンの登録事業者は、原則、後継キャンペーンに参加する希望を有するものとして取り扱い、継続参加ができるものとされる予定です。時期は未定ですが、登録事業者の統括アカウント及び担当者アカウントの利用者に対して、後継キャンペーンのアカウントがそれぞれ発行され、登録情報の一部が引き継がれる予定となっております。
継続参加を辞退する場合、2024年1月10日までに統括アカウントよりポータルサイトへログインし、「継続参加を希望しない」旨を申告する必要があります。
- 継続参加を希望しない登録事業者は、統括アカウントから辞退が可能。
- 所定の期日までに辞退の申告がない登録事業者は継続参加の意思があるとみなされる。
- 継続参加においても、後継キャンペーンの登録事業者として登録を完了するには、後継キャンペーンの要件を満たし、登録申請書を提出する必要がある。
- 各後継事業等の交付申請は、当該事業者登録の完了後に行うことができる。
▶︎よくある質問が公開されています:https://jutaku-shoene2023.mlit.go.jp/assets/doc/faq_touroku_continuation.pdf
相談の流れ
お問い合せ
まずはお問い合わせください。工事内容や工期等をお知らせください。
オンライン・メール打ち合わせ
お打ち合わせさせていただき、要件の確認やスケジュール・費用感の確認等を行います。
ご契約
お打ち合わせにより当事務所にお任せいただける場合は契約を締結いたします。
必要書類収集・申請書作成
必要書類一覧や注意点を記載したチェックリストを共有いたします。必要書類や工事情報・顧客情報をご記入いただき、送付をお願いいたします。
予約申請・交付申請・補正対応 等
書類が揃いましたら申請を行います。補正対応や期日管理もお任せください。
申請にお困りの事業者さまのサポートを行なっております
住宅省エネ2023キャンペーンの審査状況について、交付申請は4週間程度、予約申請は2週間程度で審査が完了しているケースがほとんどでありました。不備訂正が必要である場合は審査完了までに期間を要しますので、不備なく申請を行えるよう手引きを確認して正確に申請を行うようにしましょう。
本キャンペーンの申請には膨大なボリュームの申請の手引きを確認し、多くの書類や写真の準備等が必要になります。専門家に申請サポートを依頼することで、これらの事務手続きが大幅に軽減でき、正確な申請が可能です。弊所ではリフォーム業者様の申請サポートサービスを提供しておりますので、申請にお困りの事業者様はお気軽にお問い合わせください。
申請準備は早めに行いましょう
こどもエコすまい支援事業は、2023年9月28日に約1700億円の予算を全て消化し事業終了となりました。前年度より補助対象や補助額が拡大し大幅に利便性が向上したため、前年度を上回るペースで6ヶ月を待たずしての終了となるなど、注目度が高くすぐに予算を消化してしまう補助金です。今年度は制度を活用されなかった事業者さまも、来年度に向けて早期に準備をしておきましょう。
行政書士に申請サポートを依頼するメリット
補助金の申請は、事業計画策定や必要書類の準備、採択後も交付申請や実績報告等の多くの手続きがあり、非常に煩雑です。補助金申請に関する豊富なノウハウを持ち、手続きに精通している専門家にサポートを依頼することで自社の負担を大幅に軽減することが可能になります。サポートを依頼するメリットは、以下のような点が挙げられます。
- 申請書類の作成や提出手続きに関するアドバイスを受けられる
- 申請書類の不備や誤りを防ぐことができる
- 事務負担が大幅に軽減できる
行政書士に依頼することで、補助金の申請がスムーズに進められたり、不備や誤りを防ぎ、採択確率を高められるようなアドバイスを受けることができます。 当事務所は補助金申請サポートを専門としており、申請に必要な情報を提供させていただき書類作成や手続きをトータルでサポートいたしますので、申請にかかる手間を削減することができます。補助金申請が初めてでどういう手続きがあるのかわからない方や、申請書の書き方がわからない方に対して手厚くサポートをいたしますのでお気軽にお問い合わせください。