『特定創業支援』を受講するメリットとは?どういう人が受けるべき?

創業間もない小規模事業者様の中には、初期投資や設備投資を計画しているが、事業資金が潤沢ではなく事業拡大がなかなか実現しないといった悩みを抱える方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。

そのような方におすすめの制度が小規模事業者持続化補助金です。販路開拓のために活用できる補助金で、自社事業のPRのために必要なチラシ・カタログの外注や発送、新聞・雑誌・Web等へサービスの広告掲載、店舗改装や機械装置購入等に幅広く活用できる補助金です。

通常枠は上限50万円ですが、「特定創業支援等事業」による支援を公募締切時から起算して過去3か年の間に受け、過去3か年の間に開業した事業者は上限200万円の創業枠への申請が可能です。事業を開始する際には何かとお金が必要になる場面が多いかと存じます。この記事では小規模事業者持続化補助金の創業枠への申請要件である「特定創業支援」により得られるメリットと、実際に受講したプログラムの内容やスケジュール等について解説します。(弊所で受講した豊島区の内容について記載しています。その他自治体では一部内容が異なるケースがあります。)

CHECK

▶︎小規模事業者持続化補助金の加点項目の解説はこちら

何をすれば加点が得られる?小規模事業者持続化補助金のおすすめの加点取得方法を紹介します!

目次1 小規模事業者持続化補助金の加点項目について解説します!1.1 審査のポイントとは?1.2 加点はいくつ取れる?どれが取りやすい?1.3 どのように記載するの?記載例…

特定創業支援とは

創業に必要なスキルである「経営」「財務」「労務」「販路開拓」の4つの知識を身に付けるプログラムで、既定のプログラムを受講し、自治体等が証明書を発行・交付することで、創業に関する様々な優遇措置を受けることができる制度です。

▶︎豊島区特定創業支援はこちら:https://toshima-biz.com/02_kigyo_02tokutei.html

利用対象者

  1. 創業を行おうとする事業を営んでいない「個人」
  2. 創業後5年未満事業開始後5年を経過していない「個人」または「法人」

主な優遇措置

  1. 法人設立時の登録免許税が半額
    法人設立(または法人化)の際に納める「登録免許税」が半額になります。
    株式会社:15万円、合同会社:6万円(又は資本金の1,000分の7のいずれか高い方)
  2. 創業関連保証の申込要件が緩和
    創業関連保証枠を利用した融資について、前倒しして申し込みが可能となります。
    (通常:2か月前から ⇒ 特例:6か月前から)
  3. 東京都の創業融資の金利が優遇
    東京都の創業融資について、特例措置として金利が0.4%優遇されます。
  4. 新創業融資(日本政策金融公庫)の融資要件が緩和
    日本政策金融公庫の「新創業融資」を利用する場合の自己資金要件が免除になります。
    (自己資金要件:創業時において創業資金総額の10分の1以上の自己資金を確認できる方)
  5. 国や東京都の創業に関する補助金・助成事業に申請可能
    小規模事業者持続化補助金の「創業枠(上限200万円)」への申請が可能になります。
    国が取り扱う「創業・事業承継補助金」や、東京都及び東京都中小企業振興公社が取り扱う「創業助成金」に申請可能になります。
  6. 新規開業支援資金(日本政策金融公庫)の貸付利率引下げ
    日本政策金融公庫の「新規開業支援資金」について、貸付利率の引き下げ対象として同資金を利用することができます。

特定創業支援プログラム

以下のいずれかのプログラムを受講し、受講完了後に起業計画書を提出することで証明書が発行され、各種優遇措置を受けることが可能になります。弊所では「1.個別相談」を受講しました。

  1. 個別相談
    ビジサポ専門相談員による個別相談を1か月以上かけ受講し、創業に必要なスキルを身に付けた方(予約制)
  2. 「女性のための起業塾」の受講
    区が実施する「女性のための起業塾」に7割以上の出席かつ区が指定する必須回に全て出席した方 ※女性限定
  3. 「創業スクール」の受講
    東京信用保証協会が実施する「創業スクール」に7割以上の出席かつ区が指定する必須回に全て出席した方

◆証明書発行は最短でも1か月必要です。優遇措置利用の1か月前までにご相談ください。
◆豊島区外で起業された場合、豊島区発行の証明書では「登録免許税の半額」を利用できません。

流れ・スケジュール

特定創業支援受講の予約

STEP
1

プログラムの受講

STEP
2

証明書の申請

STEP
3

優遇措置の利用

STEP
4

当方は9月上旬に受講予約、9月中旬から10月中旬にかけてプログラム受講しました。
豊島区では証明書発行は申請翌日正午以降になるようです。

個別相談では、「経営」「財務」 「労務」「販路開拓」の4つの知識を身に付けるため各回1時間程度講師の話しを聞いたり、質疑応答により理解を深めるといった内容でした。当方はかなりスムーズに予約を取ることができましたが、小規模事業者持続化補助金の申請直前等は予約が増加することが想定され、締切までに間に合わないことも想定されますので、締切2〜3か月前にはスタートするのが望ましいと思います。

プログラム内容

  • 販路開拓
    金融機関職員が講師。最近の創業に関する状況や、同業者の成功事例等をご教示いただきました。現状の自信の営業活動に関する取組み状況等をヒアリングしていただき、同業者で実際に支援した事例などからアドバイスをいただきました。1対1での面談であったため質問がしやすい空気感でした。

  • 労務
    社会保険労務士が講師。労務問題や社会保険、労働保険等に関する講義を受講。今後従業員を雇用する上での注意事項等に関する知識を習得。2対1での形式でしたので、同時期に同地域で開業(予定)の方の話しを聞けたり、知り合うことができる点も大きなメリットであると感じました。

  • 財務
    税理士が講師。講義形式ではなく、税務で不安な点やわからないことについてこちらの質問に回答していただく形式であったため、個別具体的な相談に詳細にご回答いただくことができました。専門家に無料でできるというのはなかなかない機会ですので、事前に相談したい内容をまとめていくと良いと思います。

  • 経営
    以前「創業計画書」の作成アドバイスを受け提出していたこと、小規模事業者持続化補助金の事業計画書を作成済みであったため、これらを提出し終了となりました。

どのような方が受講するべきか

これから創業する方に大変オススメの制度であります。個人的に特にメリットが大きいと感じた点は下記2点です。
①融資斡旋(低利融資+利子補給)を受けられる
②小規模事業者持続化補助金の創業枠へ申請できる

恐らく小規模事業者持続化補助金の創業枠申請要件を備えるために受講されている方が多いかと思いますが、豊島区制度融資の「起業資金」の斡旋を受けることが可能になる効果は非常に大きいと感じました。「起業資金」は最大1500万円を1.6%の低利で融資を受けることが可能な制度であり、豊島区が全額利子補給を行うことで自己負担なく(0%で)融資を受けることが可能です。

小規模事業者持続化補助金は創業時の様々な経費を補助対象とすることができますが、補助金は交付決定以降に支出した経費のみ補助対象というルールがあるため、募集は年4回程度であることからも、タイムリーな事業展開には不向きであるというデメリットがあります。

また、店舗を借りるための保証金や各種許認可申請費用は補助対象外、WEB関連経費は全体の25%以下のみ補助対象と言ったように、費用がかかるが補助対象にできない経費が多くあるのも事実です。このような問題を解決するために利用すべきなのが創業融資であると考えます。

創業時は支払いが先行し、入金や売上が安定するまでに期間がかかることも多いでしょう。売上が上がっていたとしても、資金がなければ維持・拡大は困難になります。豊島区では自己負担なく借入可能で、区が融資の斡旋を行なってくれる等、創業時にも借入がしやすい制度が整備されています。

融資に対して嫌悪感を抱く方が多いのも事実としてあるかと思います。資金がなくては事業を継続できませんし、業況が悪化してからでは融資を受けにくいということを認識して、予め資金には余裕を持っておくべきであると強く思います。

私はもともと金融機関で融資業に携わってきた経験があることや、当方が開業する際に実際に創業融資を受け、各種補助金の活用も実施してまいりましたので、創業融資や補助金活用に関するご相談は大歓迎です。

受講してどうだったか

知識の習得も可能であり、各種優遇措置が受けられるためこれから創業する方は必ず受講すべきであると感じています。デメリットは1か月以上の期間がかかることが挙げられますが、逆に創業前や創業間もないこのタイミングで通っておかなければ多忙になって通えなくなると思います。

専門家からのアドバイスを無料でもらえることも非常に有益です。通常の講義内では一般的な内容が中心でありましたが、こちらから具体的な質問をすれば個別・具体的な有料級の回答を得ることができました。各回ごとに現在自身が抱えている悩みをまとめて臨むのが良いかと思います。

また参加されている方は自身と同じような境遇の方ばかりであるため、情報交換やモチベーション向上に繋がる点も大きなメリットであると思います。作成している方は名刺を持参することをおすすめします。

行政書士に申請サポートを依頼するメリット

補助金の申請は、事業計画策定や必要書類の準備、採択後も交付申請や実績報告等の多くの手続きがあり、非常に煩雑です。補助金申請に関する豊富なノウハウを持ち、手続きに精通している専門家にサポートを依頼することで自社の負担を大幅に軽減することが可能になります。サポートを依頼するメリットは、以下のような点が挙げられます。

  • 申請書類の作成や提出手続きに関するアドバイスを受けられる
  • 申請書類の不備や誤りを防ぐことができる
  • 事務負担が大幅に軽減できる

行政書士に依頼することで、補助金の申請がスムーズに進められたり、不備や誤りを防ぎ、採択確率を高められるようなアドバイスを受けることができます。 当事務所は補助金申請サポートを専門としており、申請に必要な情報を提供させていただき書類作成や手続きをトータルでサポートいたしますので、申請にかかる手間を削減することができます。補助金申請が初めてでどういう手続きがあるのかわからない方や、申請書の書き方がわからない方に対して手厚くサポートをいたしますのでお気軽にお問い合わせください。


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