建設業やリフォーム業で活用できるオススメの補助金とは?事例を交えて紹介します!
目次
そもそも補助金とは?どういう制度が実施されている?
そもそも補助金とは、国や自治体が抱える課題解決や政策目標実現のため、事業者や消費者の取り組みに対する資金の一部を後払いで金銭的にサポートする制度であり、現在様々な制度が実施されています。
近年よく補助金が投入されているテーマとしては省エネや賃上げ、インボイス等への対応が代表的なものとして挙げられます。補助金を受給するためにはテーマに沿った事業計画書を作成し、審査員によって補助金を投入して実施すべき計画であるか審査を行う「採択制」であり、財源は税金が投入されていることからも厳格な手続きや審査を経る必要があります。
建設業の方にも幅広く活用できるものであり、①自社で活用できる制度、②営業ツールとして活用できる制度の2つに大きく分類することができます。この記事では代表的な制度とその活用事例や申請における注意点について補助金申請サポート専門の行政書士が解説いたします。
1.自社で活用できる制度
制度名 | 補助率 | 補助額 | 対象経費等 |
---|---|---|---|
小規模事業者持続化補助金 | 2/3又は3/4 | 50〜250万円 | 販路拡大に資する取組 チラシ作成・HP改修・改装費用 等 |
IT導入補助金 | 1/2〜3/4 | 150〜450万円 | IT化・DX化 インボイス対応会計ソフト+PC購入 等 |
デジタルツール導入促進支援事業 (東京都) | 1/2又は2/3 | 100万円 | デジタルツール導入 クラウド型会計ソフト・業務自動化ツール 等 |
テレワーク推進助成金 (東京都) | 29人〜 2/3 〜30人 1/2 | 150万円 250万円 | テレワーク推進に資する取組 PC・タブレット、ソフトウェア購入・利用料等 |
ここでは創業間もない方や大規模な投資を行わない場合に利用可能な制度を一部取り上げましたが、ものづくり補助金(経営革新/生産性向上)・事業再構築補助金(新規事業への進出)等の大型の補助金ももちろん対象となります。また各自治体でも販売促進に関する制度等多くの制度が実施されています。
建設業・リフォーム業での活用事例
小規模事業者持続化補助金の活用事例①
業種:土木工事業
投資内容:WEBサイト構築・インターネット広告
取組内容:公共工事への偏りという経営課題解消の為に、小規模工事民間需要者をターゲットに選定。施工実績や強みを掲載したWEBサイト構築、インターネット広告、Facebookページ製作、社内運営やノウハウ蓄積の為に専門家指導による若手人材育成を実施。
補助事業の効果:事業の効果施工実績や強みの「見える化」をお客様から評価され、民間工事受注件数が前年対比125%に増加。後継者や若手技術者への情報化社内教育が強化されることで、情報化施工新事業戦略の立案に繋がり、施工品質や生産性向上に繋がった。
小規模事業者持続化補助金の活用事例②
業種:屋外広告設置業
投資内容:個人向けHPを作成、最新工法導入による効率化
取組内容:これまで受注できていなかった個人のビルオーナーへ直接工事提案するため、個人向けHP作成及び業務効率化の為にポータブル切断機を購入。機器を設置するためにトラックの荷台を改良し、業界に先駆けて最新工法を導入することで作業効率の向上に取り組む。
事業の効果:HP改善により企業イメージが向上、顧客からの信頼度アップに繋がり、HPからの集客が増加した。最新工法である荷台を改良したポータブル切断機の活用により、従来4名で行っていた作業が3名で出来るようになり、業務効率が向上。その結果、従業員1名当たりの売上が前年比約227%UP。ビルオーナーからの受注が拡大し、外壁工事などの周辺工事受注にも繋がった。
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▶︎小規模事業者持続化補助金の加点項目はこちら:https://office-local.com/jizokuka_katen/
IT導入補助金の活用事例①
業種:注文住宅/リフォーム業
投資内容:見積作業積算ツール導入による生産性向上
取組内容:注文住宅であるため、個々に積算→見積を社長一人で行うため、現場の仕事を終えてから夜間に取りかかっていた。土台、基礎など完成図では見えない部分も合わせて建築に必要な材料を抽出し、材料費の見積を取り、積算するために1週間程度要していた作業を自動化できるツールを導入。
事業の効果:間取図やパースから図面を自動で起こし、土台などパースからは見えない部分も含めて建築に必要な材料や積算に必要な材料が自動抽出可能に。全国平均の標準単価が表示されるので、チェックして修正が必要な個所を直すだけになり、作業工数が大幅に減少した。すべての機能を使いこなせば、見積に要する時間が1週間から1日に短縮できる見込み。
IT導入補助金の活用事例②
業種:大工工事業
投資内容:建設業に特化したソフト導入による原価管理・業務管理等の見える化
取組内容:見積書の作成、原価の明細(材料等)把握、職人の労務管理、請求書の発行などをデータ化し、原価管理・業務管理の見える化による業務効率化を実現するためのソフトを導入。
事業の効果:見積・実行予算管理・受発注管理・原価管理・支払管理・回収管理などに対応しており、今までデータ化できていなかった原価の明細や予算実績管理等、業務の見える化が進み、知りたい情報をリアルタイムに集計して確認可能に。工事別の集計や月次・年次の集計など経営管理の部分で必要な情報をまとめる時間が大幅に削減され、売上約3割%増加・生産性約4割向上を達成。
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▶︎IT導入補助金の制度概要はこちら:https://office-local.com/it2023/
2.営業ツールとして活用できる制度
制度名 | 補助額 | 補助対象 |
---|---|---|
子育てエコホーム | 新築:最大100万円 改修:最大60万円 | 新築物件・注文住宅の購入 断熱材・エコ住宅設備設置 |
先進的窓リノベ | 最大200万円 | ガラス交換・内窓設置・外窓交換 |
給湯省エネ | 最大30万円 | エネファーム・エコキュート等の設置 |
省エネ改修促進事業(東京都) | 最大140万円 (助成対象の1/3) | 窓改修:100万円 ドア改修:16万円 断熱材設置:24万円 |
豊島区エコ住宅普及促進費用助成金 | 最大10万円 (助成対象の1/4) | 窓の断熱改修 等 |
新宿区省エネルギー及び 創エネルギー機器等補助制度 | 最大10万円 (助成対象の25%) | ガラス交換・内窓設置・外窓交換 |
住宅の省エネ化や高断熱化に対する補助金が特に充実しており、これらの制度はそれぞれ併用できる可能性があります。リフォーム業者さまが顧客に提案を行う際にリフォーム工事と補助金をセットで提案することで、価格的なメリットを訴求可能であることに加えて、他社と競合した場合にも提案力で差別化でき、適正価格での工事受注に繋がります。
自社での活用だけでなく、顧客獲得のためのツールとしても補助金を活用することが可能ですので、制度をフル活用して事業の発展・拡大のサポートをさせていただいております。補助金の活用に関してご不明な点がございましたらはお気軽にお問い合わせください。
補助金を活用する際の流れ・注意点
〈補助金申請の流れ〉
〈申請における注意点〉
- 交付決定以降に契約・発注した経費のみ補助対象
採択は計画の大枠の内定に過ぎません。採択後早急に見積書・相見積書を整備して補助対象経費を確定させる、交付申請という手続きがあり、承認を受けた経費が補助対象経費となります(交付決定)。交付決定以降に契約した経費が補助対象になるので、これ以前に発注を行わないよう注意しましょう。 - 事業実施期間内に納品・支払・報告が完了したものが補助対象
補助金ごとに事業を完了させるべき期日が定められています。期日までに納品や支払、報告を終えたものに関して補助金が支給されます。事業実施には思いがけず期間を要することもあるかと思いますので、余裕を持ったスケジュールで取り組むことが必要です。 - 要件未達等、返還が求められる場合がある
賃上げが申請要件で、事業計画期間内に賃上げを実施しない場合に返還が求められるケースがあります。補助事業により多くの利益を計上した場合にも【収益納付】という制度により一部返還が求められるケースもあります。 - 後払いであり、入金までに期間を要する
補助金は補助事業が適切に実施され、検査を受けた経費の一部が補填される後払い制です。事業実施には自社で支払いを行う必要があるので、予め金融機関に相談するなど資金計画が重要になります。入金までに申請から1年以上かかるものもあるので、一時的に資金繰りが悪化することを十分理解した上で取り組みましょう。
建設業は補助金の応募/採択が多い業種
事業再構築補助金やものづくり補助金では申請・採択された業種が公表されております。内訳を見ると設備投資の必要性が高い製造業において最も活用が進んでおりますが、建設業についてもいずれも上位に入っており、補助金の活用が多い業種でもあります。
・事業再構築補助金
・ものづくり補助金
職人の高齢化や若者の働き手不足などの労働者不足や働き方改革による労働環境に関する課題をもつ建設業者さまは多くいらっしゃる状況かと思います。これらの課題を解決し建設業者をサポートするための支援制度が多く提供されておりますので、活用しない手はないと考えます。弊所では建設業・リフォーム業の方のサポートを専門としており、補助金申請や融資等資金面で事業者さまの支援を行っておりますのでお気軽にご相談いただければ幸いです。
行政書士に申請サポートを依頼するメリット
補助金の申請は、事業計画策定や必要書類の準備、採択後も交付申請や実績報告等の多くの手続きがあり、非常に煩雑です。補助金申請に関する豊富なノウハウを持ち、手続きに精通している専門家にサポートを依頼することで自社の負担を大幅に軽減することが可能になります。サポートを依頼するメリットは、以下のような点が挙げられます。
- 申請書類の作成や提出手続きに関するアドバイスを受けられる
- 申請書類の不備や誤りを防ぐことができる
- 事務負担が大幅に軽減できる
行政書士に依頼することで、補助金の申請がスムーズに進められたり、不備や誤りを防ぎ、採択確率を高められるようなアドバイスを受けることができます。 当事務所は補助金申請サポートを専門としており、申請に必要な情報を提供させていただき書類作成や手続きをトータルでサポートいたしますので、申請にかかる手間を削減することができます。補助金申請が初めてでどういう手続きがあるのかわからない方や、申請書の書き方がわからない方に対して手厚くサポートをいたしますのでお気軽にお問い合わせください。